対談特集
SPECIAL SESSION


Vol.1
直感を、縁を大事に。
尊敬できる人、働きたいと思える会社へ
- T.S 研究開発本部(写真左)
- S.W 営業部(写真右)
就職活動時に何を重視して活動されていましたか?
何に惹かれて応募しましたか?
最終的な入社の決め手は何でしょうか?
−−医療系で探されていたとのことですが、医療でも色々な分野の仕事があると思います。その中でなぜ診断薬業界のDMR*を選択されたのでしょうか?
*DMR・・・臨床検査薬(Diagnostics)に関連する医療情報(Medical information)を提供する者(Representatives)の略称。臨床検査薬の製造販売を業とする企業に属し、主として臨床検査薬に関する必要な医療関連情報などについて、臨床検査技師などに提供することが主な仕事。
S.Wさん
大学時代、私は臨床検査学部に所属しており、もともと医療分野に強い関心を持っていました。また、人と話すことが好きだったため、「医療」と「人と話せる」職業を探していたところ、医療業界の営業職に出会いました。私の大学から当社に入社している先輩方が何人かおり、彼らから話を聞いたり、説明会に参加したりすることで、会社の雰囲気を知ることができました。その結果、当社に入社することを決めました。
−−MR*で探されていて、そこでキヤノンメディカルダイアグノスティックスさんにたどりついたということですね。ちなみにMRとDMRは何が違うのでしょうか?
*MR・・・医療情報(Medical information)を提供する者(Representatives)の略称。製薬会社などに所属する営業担当者の職種。医師や薬剤師などの医療関係者に対して医薬品の情報を提供することが主な仕事。
S.Wさんそうですね、MRは医師と話すことが多いですが、DMRは臨床検査技師と話すことが多いです。私はもともと臨床検査技師を目指していたので、臨床検査技師の方が身近に感じていました。そのため、MRよりもDMRの方が自分に向いているのではないかと思い、DMRを選びました。
T.Sさん私は大学の頃から、これからの医療のための新しい診断薬の開発に取り組みたいと考えておりました。当社を知ったきっかけは、当時大学で検査に使う新しい素材の研究を行っている中で、当社が同様の素材の研究をしていたことです。それから当社に興味を持ち調べる中で、脂質領域のパイオニアとして業界を切り拓いてきたことや、当時では新しい、医薬品の使用をサポートするような診断薬を開発していることを知りました。「これからの医療のための新しい診断薬の開発に取り組みたい」と思っていた自分にとって、当社は非常に魅力的でした。
−−就職活動をされていた時はどういう系統の企業を探されていましたか?
T.Sさん私の場合は研究職1本で、なおかつ医療業界に絞って就職活動をしていました。当時は就職をするか、あるいは研究を続けて博士号を取得するか、両方の道を考えながら就職活動をしておりました。やりたい研究をしていない企業であれば、就職は辞め、研究を続ける選択肢もあったので、あまり広くは見ておりませんでした。当社のフロンティア精神が魅力的に映り、またまさに自分の興味のある研究をしていたので、応募し、当社に就職を決めました。
S.Wさん私の場合、さまざまなメーカーを検討しましたが、キヤノンメディカルダイアグノスティックスは当時から脂質検査の診断薬において国内トップシェアを誇っていました。そのため、「一つ強い製品を持っていると営業の武器になるのでは」と考え、それが入社を決めた一つの理由です。シェアが高い製品が一つでもあれば、他の製品も売りやすくなると考え、そこが他のメーカーとは異なる魅力だと思いました。
−−そうなのですね。学生の時点で営業しやすさという視点で考えられるのはすごいですね!
S.Wさんありがとうございます。さらに、人事の方々の対応が非常に良く、作られていない自然体の雰囲気を強く感じました。他のメーカーと比べても親近感が湧き、質問への回答も迅速でした。このような人たちと一緒に働きたいと思い、入社を決めました。
T.Sさん私が特に印象に残ったのは、技術面接にて当時大学で研究していた内容を発表してコメントをもらう機会があったのですが、社員のみなさんの雰囲気が良く、一緒にお仕事してみたいと思えたことです。あとは研究開発本部の勤務地が三島なので、良い場所だなということもポイントでした。
−−お二人とも社員の方の雰囲気が良かったとのことですが、具体的にどう良かったのでしょうか?
T.Sさん 学生だったので、社会人としてどうなのかということはもちろん全然分かりませんでしたが、直接会った際に雰囲気が良かったことと、単純に「研究が好き」という想いが伝わってきたところです。
入社後にギャップはありましたか?
T.Sさん
まずギャップがなかったところは、「職場の雰囲気」です。面接ではリーダーの方たちとのお話のみだったのですが、選考の中で事業所を見せていただきました。イメージしていた通りで、いわゆる大学の研究室に近いような、和やかな雰囲気でした。実際に入ってみると、研究に関してはあまり遠慮なくディスカッションでき、入社当時は先輩方がよく自分の話を親身に聞いてくださったので、ありがたかったなという記憶があります。
ギャップがあったところは、「製品を作るための研究」で、イメージしていたものとは異なりました。大学での研究と違い、企業での研究は、最終的に製品として売りだすための研究である、という点です。製品として誰をターゲットにして、どういう目的で使うものか、というところから逆算して、製品をどのように作っていくべきか、そのプロセスも一つ一つ研究していく必要があります。当時の自分にはあまり見えていませんでした。
S.Wさん 私は良い意味でのギャップを感じた記憶があります。入社当初、専門的な知識がかなり求められるのではないかと心配していました。もちろん、専門知識はあるに越したことはありませんが、知識が不足していた時期には先輩方が力を貸してくれたおかげで、乗り越えることができました。フォローの手厚さは予想以上で、非常に助かりました。
研究開発職、営業職はどういったことをされていますか?
それぞれの魅力、やりがいを感じる瞬間はどのような瞬間でしょうか?
どのような方におすすめされたいでしょうか?
T.Sさん
研究開発職は診断薬の種を探すところから、製品として仕上げるところまでの全ての工程に関わっています。例えば「種を探してくる」ですと新しい検査技術の研究を行ったり、新しい診断に使えるようなバイオマーカー*を検証したりしております。新しい検査技術やバイオマーカーが見出されてきたら、それをどう製品にしていくかを考えます。対象国に認められないと製品化が難しくなるので、どういう申請が必要でどういったデータが必要でなど、様々なデータを取りながら整備していくことも重要です。
また、製品自体も製造しないといけないので、工場の方たちと協力しながら検査方法や製造方法を作り上げていき、最終的には申請業務を行って製品の仕上げをしていきます。本当に一言で言えないくらい、多岐にわたるステージがあります。
*バイオマーカー・・・特定の病状や生命体の状態の指標
−−今教えていただいた工程の中で、研究開発の魅力だと思う点はどこでしょうか?
T.Sさん 自分が何か思ったことや想像したことを検証して、それを製品に反映していける点です。自分の小さな想像を検証して、製品に落とし込んでいくのが楽しめる方だったら非常に魅力的だと思います。
−−やりがいや達成感を感じる瞬間はどういう時でしょうか?
T.Sさん やりがいのベースは自分が考えたことを検証していけるところですが、それを他の人と共感、共有できた時はやはり達成感があると思います。例えば製品開発の初期の話ですと、病院の先生や研究機関の方と一緒に研究をして、データを取っていくのですが、その中で自分たちが考えて作り出したものが、先生方に受け入れてもらえた瞬間は、この研究をやっていて良かったと思えました。そこから製品化が進むにつれ、今度は会社の中の人とのやりとりが増え、病院の先生方と検証してきた内容を踏まえて検査部門の方、製造部門の方に開発経緯を伝え、あれこれしながら自分たちで頑張って作っていく、共感しながらものを作っていけるその工程を踏めた時は非常に嬉しく、やりがいを感じる瞬間です。
S.Wさん 営業職は、病院や検査センターを訪問し、試薬や医療機器のPRを行います。また、新しい病院の開業をサポートすることもあります。試薬の販売だけでなく、検査技師からの問い合わせに対応したり、フォローアップを行ったりと、幅広く医療に関わる業務を担当しています。 自分が提案した製品が現場で使用され、患者さんの助けになると、自分も医療に貢献していると実感でき、非常にやりがいを感じます。また、提案した試薬や医療機器が採用されると、長い場合は5年以上使用されることもあり、自分の仕事が未来の患者さんを救う一助となることに喜びを感じます。
−−いいですね!素敵だと思います。研究開発職、営業職、それぞれどのような方に向いているか、こんな方にぜひチャレンジしていただきたいなどございますか?
T.Sさん 採用活動に関わることがあるのですが、弊社の研究開発は「プロ意識」「協調性」「情熱」という3つのキーワードがあります。「協調性」は設計、開発のプロセスで社内外関わらず多くの方の協力が必要になってきます。一緒に協力して何かをやり遂げたい方には向いており、楽しめると思います。「プロ意識」は今自分が向き合っている事に対し、しっかりと責任を持ち、自分がやれるだけの検証を行うことを心がけて、諦めずに正確なデータ、論理を組み立てることが大事です。地道に、諦めずにやれる方が向いていると思います。あと研究は地道にデータを検証することが多いので、なぜこの業界でこの仕事をしたいかという「情熱」です。そういった想いを持っている方は向いていると思います。自分もこのキーワードがしっくりはまるような場面を経験しました。
−−なるほど。具体的になにかエピソードはありますか?
T.Sさん
「プロ意識」で突き詰めるという話をしたのですが、なにか一つを突き詰めておくことは大事だと思います。巡り巡って、色々な場面で活きてきます。実際に何か問題が起きた際に事前知識や経験があり、すぐに解決できたことがありました。また、プロといっても、社内では研究開発のプロですが、社外だと診断薬のプロにもなるので、置かれている自分の立場でどういった意識を持って研究開発員として立ち回るかを意識するのも大事だと思います。
「情熱」は、病院の先生方と話していると、情熱を持っている先生の意見が強く、伝播していくと思います。想いがあり、その想いをしっかり語って人を巻き込めるような、そのような方々と協力すると前に進みやすいという経験をしました。
S.Wさん 営業職において最も重要なのはコミュニケーション能力です。話すことが好きな方、聞くことが好きな方、人に興味を持てる方、そして課題を見つけるのが得意な方に向いていると思います。 新規提案だけでなく、お客様の課題に真摯に対応する姿勢も大切です。営業職としてこれらの対応を行うことが求められるため、必要な能力だと考えます。
−−聞くことができる、課題を見つけるのが上手いなどは重要な要素ですね。 あと営業といえば、やはり喋ることが上手くないといけないとか、ガッツがないといけないイメージがあると思うのですが、その点はどう思われますか?
S.Wさん はい、もちろん説明が上手であることは重要ですが、それ以上に真摯で誠実な対応が評価されることも多いです。当たり前のことを軽視せず、しっかりと実行することが大切だと思います。
−−特別なスキルはいらないのであれば、学生さんからすると非常に心強いと思います。
会社の雰囲気どうでしょうか?
メンバーはどのような方が多いでしょうか?
尊敬できる上司・同僚・部下はどのような方でしょうか?
T.Sさん 部署の雰囲気は良く、和やかです。研究開発職のメンバーは社内でも比較的若い方が多いです。平均30代~40代くらいだと思います。それぞれやってきた研究のバックグラウンドが異なるので、色々な方がいます。それぞれの研究に没頭して熱心に取り組んでいます。
S.Wさん 営業職には明るい方が多いです。普段は一人で行動することが多いため、頻繁に会うことはありませんが、たまに会うと一緒に食事をし、会話も弾みます。 営業職には上下関係が厳しいというイメージがあるかもしれませんが、実際にはそうではありません。仕事に関しては締めるところはしっかり締めますが、仕事を離れると上司が和やかな雰囲気を作ってくれるので、部下の私たちも意見を言いやすい環境です。
−−それは非常に良いですね。尊敬できる方はいらっしゃいますか?
S.Wさん
現在、私の直属の上司は非常に手厚くフォローしてくれており、何とか恩返しをしたいと考えています。上司から受けた恩を、今度は私が後輩に繋いでいけるような人になりたいと思っています。
伝え方や指導の仕方一つで、本気で相手のことを思っているかどうかは、言葉にしなくても態度で伝わります。私の上司はいつも真正面から向き合ってくれるので、本当に私のことを心配し、成長を願ってくれているのがよく伝わります。
−−本気で向き合ってくれているのが伝わるということですね。
T.Sさん 私は上司・同僚・部下すべてに尊敬する人がいます。特に上司は面談の中で自分のキャリアや「新しい研究をやりたい」という私の想いを汲んでくれました。ある上司はチャレンジできる環境を整えてくれたり、他の上司は自ら新しい研究へチャレンジして道を切り拓いてくれたり、そのような素晴らしい上司の方々がおります。 同僚は、診断薬を通してどう医療に貢献したいか、会社でどんなことができるかを熱く語ることができ、お互い日々刺激し合っており、尊敬しています。 部下は、まだ社歴が浅いため、会社での立ち回りや仕事の進め方については慣れない場面もありますが、お互い研究開発員として議論するときは、発想が自由で私の考えが及ばないことをたくさん発信してくれます。同じ研究開発員として見て、非常に尊敬できる部分だと思っています。
今後どのようなキャリアを目指していますか?
S.Wさん 立場が上の方々を見ていると、私もそのような存在に近づきたいと思います。当社は、その人の特性に応じてさまざまな部署に異動できるのが特徴です。私は英語に興味があるので、海外事業部にも少し関心がありますが、現在は営業の仕事がとても好きなので、しばらくはこのまま営業を続けたいと思っています。
T.Sさん 私はまだ研究開発を続けていきたい希望はあるのですが、「新しい製品を作りたい」という目標があります。
−−T.Sさんは「新しい製品を作りたい」という想いが一貫していますね。なぜそのような信念をお持ちなのでしょうか?
T.Sさん
そうですね、もともと学生時代から「あるきっかけでがんの診断薬を作りたい」という想いがありました。必ずしも新しいものが必要でないことも多々あると思いますが、がんの予防・未病というテーマに取り組むには、新しいものが必要になると感じていました。診断薬の業界に入ってから、色々なテーマを経験・見聞きする中で、製品を上市することの難しさ、新しいものを発掘する難しさを痛感しましたが、同時に少しずつ学生時代感じていたことへの、具体的な道のりが見えてきているように感じています。まだまだ色々なことを経験して成長する必要があると思いますが、志を忘れず、いつか新しい製品を上市と思っています。あと、新しいにこだわるのは、ちょっと人と違うことをしたいと思ってしまう、自分の性格に由来するところがありますね。
現在の研究テーマを推進し、研究開発のメンバーを巻き込みながら、一つの柱になるようなテーマに成長させるというのがここ数年の目標になっています。
就職活動している方へのメッセージ
S.Wさん 就職活動は、先が見えにくい道のりだと思います。良い会社も悪い会社も、すべては縁だと思うので、さまざまな会社を見て雰囲気を感じ、縁のある会社を見つけてほしいと思います。 私が就職活動をしていた際には、会社そのものよりも社員や人事部の担当者がどのような方かを重視していました。まだ学生で右も左もわからない私たちに対して、どのように接してくれるのかが重要だと感じていました。
−−何をするかも大事ですが、それよりも人を見るべきだ、ということですね。
T.Sさん ありきたりですが、就職活動は自分を見直す良い機会だと思います。実際のところ入ってみないとわからないことも多々あると思いますが、これからの軸や大まかな方向性を考えおくと、自分のやってみたいことに繋っていくと思います。
S.Wさん 私は人を見ることが大事だと言いましたが、当時は本当に直感で決めたというのが正直なところです。本当に良い会社だと思ったので入社を決めました。なぜ良いと思ったのか振り返ると、私に接してくれた人が決め手になったと思います。私は大学を卒業し、今でも働き続けているので、その直感は間違っていなかったと思います。皆さんにもぜひ自分の直感を信じて飛び込んでみてほしいです。
福利厚生、待遇など
S.Wさん 新卒一年目に縁もゆかりもない秋田県を担当することになり、最初は不安がありました。しかし、「住めば都」という言葉の通り、その土地を好きになりました。また、ずっと一人で営業するわけではなく、先輩社員が同行してくれるので、初めての土地や慣れない仕事でもそれほど心配はいらないと思います。
−−そうすると、多くは一人でやるような形で、月曜の午前中はどこ行って、火曜はどこに行く、などの時間割や、1日をどう動くかは上司に指示されるわけではなく、自分で組み立てできるのでしょうか?
S.Wさん そうです。仕事のスケジュールは自分で決めるので、年休も取りやすいです。私の上司も適宜年休を取るので、部下である私も休みやすい環境です。例えば、年休を取った次の日は、いつも以上に頑張るというようにスケジュールを組み立てています。長期休暇に関しても、顧客である医療機関が休診していることもあるため、長期休暇が取りやすいです。残業も多くなく、ワークライフバランスが取りやすい環境です。
T.Sさん 研究開発は、特に製品に関わっている場合、申請の期限があるとどうしても一定期間は集中して出勤しないといけない時もあり、その際は残業も必要になります。ただ、別の日は早く帰るなどすることで、ワークライフバランスの調整ができます。基本的にはフレックス制を活用しており、残業する、しないも調整がしやすく、子どもが風邪をひいた等の家庭の事情で定時より早く帰る方もいます。
最後に(お二人) 当社には本当に素敵な人が多いので、話していただければその魅力を感じていただけると思います。一度でもいいので、ぜひ説明会や面接にお越しください。皆様のご入社を心待ちにしております。